60歳から初めて水泳を習う人にとって、水泳は心身の健康を保つために理想的な運動です。関節への負担が少なく、全身の筋肉を使うため、運動不足やストレス解消に最適です。しかし、年齢を重ねてから新しいスポーツに挑戦することは、いくつかの課題や悩みを伴います。ここでは、60歳から水泳を始める際によくある3つの悩みと、それに対するアドバイスをまとめます。

1. 息継ぎがうまくできない

悩みの内容:

水泳において多くの初心者が苦労するのが「息継ぎ」です。特に高齢になってから水泳を始める場合、呼吸のリズムをつかむことが難しく感じられることがあります。水に顔をつけて息を吐き、適切なタイミングで水面に顔を上げて息を吸うという動作が、慣れるまで混乱することが多いです。また、息を吐くタイミングが遅れたり、慌てて息を吸ってしまうことで、十分な酸素が取り込めず、すぐに息が切れてしまうこともあります。

アドバイス:

息継ぎがうまくいかない場合、まずはリラックスすることが大切です。水泳では、呼吸をしっかりとコントロールすることが重要ですので、最初は水の中での呼吸練習から始めると良いでしょう。以下のステップが効果的です:

  • ステップ1: 水中で息を吐く練習 水の中に顔をつけ、鼻や口からゆっくりと息を吐きます。息をすべて吐き切ることがポイントです。これにより、次に息を吸う際にスムーズに新しい酸素を取り込むことができます。最初は浅いプールや壁に手をついて行い、慣れてきたら歩きながらでも練習してみましょう。
  • ステップ2: 息を吸うタイミングを習得する 息継ぎは、泳ぎながら自然にできるようになることが理想です。クロールでは腕をかく際に頭を片側に向けて息を吸いますが、このとき慌てず、少しの空気を吸うだけで十分です。慌てて大量の空気を吸おうとすると、体がバランスを崩しやすくなります。肩と体全体を連動させることで、自然な動きの中で息を吸えるように意識しましょう。
  • ステップ3: 呼吸のリズムをつかむ 最初は「2ストロークに1回」など、規則的なリズムで息継ぎを行うことを目標にすると良いです。慣れてきたら、少しずつ呼吸の間隔を調整し、無理なく続けられるリズムを見つけていくことが重要です。

2. 体力が持たない

悩みの内容:

年齢を重ねると、若い頃に比べて体力が低下するのは自然なことです。60歳から水泳を始める人の中には、すぐに疲れてしまう、長時間泳げない、筋肉痛や関節の痛みが出るといった悩みを抱えることがあります。水中での運動は全身の筋肉を使うため、普段の生活では使わない筋肉が疲れやすいのもその理由の一つです。

アドバイス:

体力が持たないと感じた場合、無理せず少しずつ運動強度を上げていくことが大切です。次の方法で無理なく体力をつけていきましょう。

  • ステップ1: ウォームアップを徹底する プールに入る前に、陸上での軽いストレッチや準備運動を行いましょう。これにより筋肉が温まり、関節の動きがスムーズになります。さらに、水中に入った後も、歩行や軽いバタ足から始めて、体を慣らしてから本格的に泳ぎ始めると疲れにくくなります。
  • ステップ2: インターバル練習を取り入れる 初心者や体力が低下している場合は、一気に長時間泳ぐのではなく、適度な休息を取りながら練習することが効果的です。例えば、25メートルを泳いだ後、プールサイドで数分間休憩を取り、次のセットに備えるようにします。このインターバルを徐々に短くしていくことで、無理なく体力を向上させることができます。
  • ステップ3: 徐々に距離や時間を延ばす 体力が向上するまで、無理せず少しずつ距離や時間を延ばすことが肝心です。最初は10分程度の軽い運動から始め、週を追うごとに少しずつ時間や距離を増やしていくと、長続きしやすくなります。また、筋肉痛や疲れを感じたら無理せず休養を取ることも重要です。休養することで筋肉が回復し、次のトレーニングで効果が出やすくなります。

3. 正しいフォームが身につかない

悩みの内容:

水泳はフォームが非常に重要なスポーツです。正しいフォームで泳がないと、無駄にエネルギーを消費してしまい、すぐに疲れてしまいます。また、腕や脚、体の使い方が不自然だと、肩や腰に負担がかかりやすく、怪我につながる可能性もあります。特に初心者の場合、自分の泳ぎが正しいかどうかを判断することが難しいため、自己流で続けてしまうことが悩みになります。

アドバイス:

正しいフォームを身につけるには、まず基本的な動作をしっかりと理解し、徐々に自分の体に染み込ませることが大切です。以下のステップでフォームを改善していきましょう。

  • ステップ1: 専門家の指導を受ける 自己流で泳ぎ続けるよりも、早い段階でインストラクターやコーチから指導を受けることをおすすめします。専門家の目から見てもらうことで、自分では気づかないフォームの乱れや改善点を指摘してもらえます。正しいフォームを最初に身につけることで、効率よく泳ぐことができ、長く続けることができます。
  • ステップ2: 基本を徹底する 水泳の基本的な動きには、クロールの「ストローク」や「キック」、背泳ぎの「バランス感覚」などがあります。これらの基本動作を繰り返し練習し、体にしっかりと覚え込ませることが重要です。初心者の場合、フォームを意識しながらゆっくりと泳ぐことで、正しい動きを確認できます。
  • ステップ3: ビデオや鏡を使った確認 自分のフォームを客観的に確認するために、ビデオ撮影や水中鏡を利用する方法も効果的です。最近ではスマートフォンや専用のカメラを使って簡単に自分の泳ぎを記録できるので、後から見返して改善点をチェックできます。また、水泳施設に備え付けの水中鏡がある場合は、それを使ってリアルタイムで自分のフォームを確認すると良いでしょう。

まとめ

60歳から水泳を始めると、息継ぎや体力、フォームといった課題に直面することが多いですが、焦らず一歩ずつ練習を続けることで、これらの悩みを克服することができます。最も大切なのは、無理をせず自分のペースで楽しむことです。

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