「糖質・脂質は悪なのか?」現代の健康志向の高まりとともに、「糖質制限」や「低脂肪ダイエット」が注目される一方で、糖質や脂質そのものを「悪」と捉える風潮もあります。しかし、本当にそれらは「悪」なのでしょうか?
糖質・脂質は「悪」なのか?
1. そもそも糖質・脂質とは?
糖質は、炭水化物の一部であり、体の主要なエネルギー源です。ごはん、パン、果物、砂糖などに含まれています。消化されるとブドウ糖となり、脳や筋肉の活動に使われます。
脂質は、三大栄養素の一つで、体にとって不可欠な成分です。エネルギー源としてだけでなく、ホルモンの材料や細胞膜の構成にも関わります。脂質には、飽和脂肪酸(動物性脂肪)と不飽和脂肪酸(植物油や魚の脂)があり、それぞれ役割があります。
2. なぜ「悪」と思われがちなのか?
■ 糖質への誤解:
糖質は「太る」「血糖値を急上昇させる」というイメージが強く、特にダイエット界隈では敵視されがちです。確かに、過剰な糖質摂取は肥満や2型糖尿病のリスクになりますが、「糖質=悪」という単純な考え方は誤りです。
■ 脂質への誤解:
「脂質=脂肪=太る」という連想が根強くあります。また、かつて「コレステロール値を上げるから危険」とされていた背景もあり、脂質は長らく悪者扱いされてきました。しかし、最近の研究では、脂質の質こそが重要であり、すべての脂質が健康に悪いわけではないことが明らかになっています。
3. 本当に避けるべきは「過剰摂取」と「質の悪い栄養」
■ 糖質の「質」と摂り方がカギ:
精製された白米や白パン、菓子パン、砂糖たっぷりの飲料などは、血糖値を急激に上げ、インスリンの過剰分泌を招きます。これが脂肪の蓄積や代謝異常につながります。一方で、玄米、全粒粉パン、野菜、果物などの「質の良い糖質」は、食物繊維も豊富で、消化吸収が緩やかです。つまり、「糖質をゼロにする」のではなく、「選び方」が重要なのです。
■ 脂質も「何を摂るか」が大事:
飽和脂肪酸の過剰摂取(例えば加工肉やバターなど)は心血管疾患リスクを高めますが、不飽和脂肪酸(特にオメガ3脂肪酸など)は、逆に炎症を抑え、脳や心臓の健康に役立ちます。例えば、魚(サバ・サーモンなど)やナッツ、アボカド、オリーブオイルは、健康に良い脂質源とされています。
4. 糖質・脂質が不足するとどうなる?
■ 糖質が不足すると、集中力が低下し、疲労感が増します。脳は主にブドウ糖をエネルギー源としているため、極端な糖質制限をすると頭がぼーっとしたり、イライラしやすくなります。
■ 脂質が不足すると、ホルモンバランスの乱れや肌荒れ、便秘、疲れやすさなどの症状が現れます。特に女性は、生理不順や不妊の原因になることもあります。
5. バランスがカギ
どんな栄養素も、過剰でも不足でも健康を損ねる可能性があります。糖質や脂質を「悪」とする極端な考え方ではなく、「どう摂るか」「どれだけ摂るか」「どんな種類を摂るか」が重要です。
例えば、ダイエット中でも、朝食に全粒粉パン+アボカド+ゆで卵、昼に玄米と焼き魚+野菜、といった組み合わせなら、糖質・脂質を適切に摂りながら健康的に体重管理ができます。
6. メディアや流行に惑わされないために
SNSや一部の書籍では、「糖質は毒」「脂質を絶てば痩せる」といった極端な主張が目立ちます。しかし、個人の体質や活動量、健康状態によって、最適な栄養バランスは異なります。信頼できる情報源(栄養士、医師、公的機関など)を基に、自分の体に合った食生活を見つけることが大切です。
結論:「糖質・脂質=悪」ではない
糖質も脂質も、人間の体にとって必要不可欠な栄養素です。それらを一方的に「悪者」と決めつけて極端に避けるのではなく、「質」と「量」を考えながら、バランスよく摂取することが健康への近道です。
むしろ、偏った食事制限や過度なダイエットの方が、体にとっては「本当の悪」になり得ます。食べることに罪悪感を持たず、「賢く選び、楽しく食べる」ことを大切にしましょう。
ダイエット専門パーソナルジムスワン高槻

